朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

宇宙ってなに?

「おとーさん、なに考えてんの? 目の玉クルクルまわって、宇宙遊泳してるで」

「わかるか。宇宙のこと考えてんねん」

「ええ歳して、宇宙のことやなんて、1銭にもならんことを」

「考えるんはタダやからな」

「どんなこと考えてるん?」

「テレビでな、観よ思て新聞に赤丸つけてたのに、その時間すっかり忘れてしもうて、寝てもうたんや」

「歳やからな。また、再放送あるんとちゃう」

「ああ、それやったらええけど」

「どんな内容やったん?」

「ああ、すごい話や。この地球はなに系か知ってるか?」

「なにけー? なにけーて、なに?」

「なにけーやない、なに系や。系統のことや」

「わかるように言うてよ」

「新聞に載ってたやつやから受け売りやけどな、地球は自転しながら太陽の周りを回ってる、これを公転いうんやけどな」

「わかった。それで天気がええ日を好天いうんやな」

「まあまあ、そうも言うな。それで、地球とかお月さんとか、火星水星木星、こんなんも一緒にしてかどうかは知らんけど、このグループを太陽系、言うらしいねや」

「ふーん、これが宇宙の全部?」

「いやいや、こんななまやさしいもんやない。この太陽系は天の川銀河に、天の川銀河おとめ座銀河団に、これでおしまいやないで、おとめ座銀河団は、ラ二アケア超銀河団の一部に含まれるいうから、軽々しく『宇宙はな』なんて言うておられんくらいすごいとこなんや」

「けどおとーさん、さっきは、『宇宙のこと考えてる』言うたやないの」

「そやな。けどママンに訊かれてら、そう言わんとしょがないやろ」

「そないなすごいもんが、どないして出来たんやろね?」

「そう思うやろ。ビッグバンて知ってるやろ?」

「見たわけやないんで、詳しゅうはしらんけど、宇宙の誕生はビッグバンで始まったとなにかで聞いた気がする」

「それでええねん。それ以上に知ってる人おらへんで。けど、あれやこれや自分が知ってること知らんこと、想像の翼を羽ばたかせると」

「想像の翼を羽ばたかせるやなんて、さすが、おとーさんやね」

「ありがと」

美空ひばりか」

「バックツーザフユーチャーいう映画があったやろ」

「観た観た、全部観た」

「あれ、クルマがタイムマシーンで過去に行くちゅう話やけど、宇宙のこと考えてたらなんでもありやいう気になって、未来かて行けるやないか、死後の世界もあるんやないか、天国地獄もあって、エンマさんや赤鬼青鬼もおる、幽霊やお化けも宇宙のどこかにおる、『宇宙人なんかおるわけないやろ』いう人には『なに言うてんねん! 人間かて宇宙人やないか』、言いとうなる、なんか、知らん間に笑うてしまう」

「おとーさん、宇宙の代表者みたいに言うて。今晩、湯どーふ言うたやろ。買いに行くで」