国が豊かになるための処方箋
「ママン、おれが好きなジョークあるんやけど、聞く?」
「ええよォ。なんやのん水くさい。夫婦やで、そないに気ィ使わいでも、『オレのハナシを聞け~!』言うたらええのに」
「なにをおっしゃいますやら、ブルブルブル」
「忙しいねんで、早よ言い」
「若いころな、開高健の釣りの本とかジョークの本とかよー読んだんやけど、そのなかのひとつや」
「どんなジョーク?」
「これ中南米のある国のハナシなんやけど」
「中南米いうたらブラジルとかチリとか、あのあたりのこと?」
「そうそう」
「はっきりは言うてないねんな?」
「そうそう、ボカシてあんねん。ジョークやさかい『ご想像におまかせします。各自それぞれ、あの国やろかこの国やろかとアタマに描いてニンマリしてネ』ということや。ジョーク、架空のハナシやからな」
「そういうことやわなあ」
「ニッポンがな、現在こうして経済発展してるんはなんでやろいうて、いろいろ調べてみたそうや。それで結果わかったんは、チコちゃん流に言うと『アメリカと戦争して負けたから~』という結論に達したんや。自分らの住む国も豊かになりたいという思いからの発想やな」
「そう、それで?」
「ここからや、オモロなるんは、ヒヒヒヒ」
「キショクの悪い笑いしないな。自分だけなんやねん」
「スマンスマン。それやっらアメリカと戦争して負けたらええやないか、という結論に達してな、集まってる皆が皆『そーやそーや、それがええ』となりかかったんやけど、なかのヒトリがおもむろに、おれもミンナの意見に異論はないけど、けど『もし勝ったらどうする?』言うたんで、このハナシはないことになったという」
「ハハハ、現実にやって勝てるわけないんやろけど、なにが起こるかわからん。まさかのトランプがあるからね。けど、もし勝ったらどないするんやろ?」