朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

落語『蜘蛛の糸』-36

さて、天国と極楽によります100年に一度開催される賢人会議、オープンでございます。まあ、賢人会議と申しましても実態は飲めや唄えのドンチャン騒ぎ、この期間中は無礼講でございましてイエス・キリストはキーやん、お釈迦様はシャーさんと親しく呼ばれております。

 さて、最初にこの会場に到着いたしましたのは、天国会に所属致しますサンタクロース、もう皆様よくご存じですのでそのトレードマークの衣装風貌などは省略いたしますが、3800頭立てのトナカイを操り、3800連結のソリにはプレゼント用の荷物が山と積まれております。前もって、1億3000万人の神仏や賢人のひとりひとりにプレゼントが行き渡るようにと用意されておりますが、果たして足りますかどうか。生き馬の目を抜くという地獄の世界と違って天上界のことですから、ズルする人は一人もいないことになっておるのでございます。

 積まれた荷が降ろされ、女性や子供達によって荷ほどきされます。女、子供と申しましても、皆それぞれ神や仏、偉い方々ばっかり。とは申しましてもやはりそこは女と子供、その場がにぎやかな興奮のるつぼと化すのはどこの世界も同じで、皆それぞれ赤や青、パープルもあればグレーやグリーンの色をした目、目、目が、ランランと輝いております。

 このほどかれて荷は女性や子供専用でございますので、大きな箱や袋、また小さな箱や袋などが赤やピンク、黄色やオレンジなどの色鮮やかなデザインの紙で包装され、またその上を色とりどりのリボンでチョウチョ結びがしてございます。そのひとつひとつに、サンタクロースの、暖炉の火のような暖かいこころが感じられるのでございます。

 日本古来の神様はと申しますと、すでにご紹介いたしましたヤオヨロズ、つまり800万の神々でございますから、そのにぎやかなこと、とてもわたしごときに、うまく表現することはできません。この800万の代表者はアマテラスオオミノカミ、ご存じのように女の神様でございます。

 天照らすの名の通り、このお方はお日様、つまり太陽の神なのでございますが、少々気難しいご気性の持ち主で、なにか気に入らぬことがありますとすぐに天ノ岩戸なる洞窟にお隠れになって戸をピシャリとお閉めになる。そうなりますと世の中真っ暗、目の前も真っ暗、お出まし願わなければえらいこっちゃとあれこれ知恵を絞ってご機嫌を伺う、にぎやかな笑いや踊りで誘い出そうという魂胆でございます。

 その工夫から漫才落語などの芸能が生まれたという説もございます。

 アマテラスにはふたりの弟神がございまして、その下の弟、次男になるのが名うての暴れ者、名前を素戔嗚尊スサノオノミコト)と申しまして、頭がやっつある大蛇、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を征伐したという有名な伝説の神様なのでございます。

 他にもヤオヨロズ、800万と申しますから自然界では山川草木、いたるところに神様はおいでになって足の踏み場もないという有様、トイレにも神様はおいでになるんやそうで、お尻なんか出してる場合やないんですが。

 大きな岩や樹齢何百年、何千年という大木古木、幹のまわりが10人の人が手を繋いでやっと届くというところには注連縄が張ってございまして、こういう木にも神様は宿っておられる、日本全国至る所にございます。

 また風神、雷神という目には見えない神様もおいでで、風神は風の神、雷神はあのピカッゴロゴロ、ドン! のカミナリ、これも神なのでございます。テレビCMでお馴染みの「かーぜひいてまんねん」は、あれは関係ございません。

 山の神いうのもございます。富士山は霊峰と呼ばれて祭られております。ヤマのカミはうちにもひとりおりまして、動かざる山のごとし、どんと座ったが最後、テコでも動かん、と思うとよく動くところもございまして、口のまわり、これはよく動きます。喰う喰う、しゃべるしゃべる、特別な筋肉でできておるようで・・・(つづく)