朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

並ぶ

 近くにアップルパイで有名な店ができました。そこで食べることも持ち帰ることもできます。だいたいいつも、食べる客より持ち帰るお客さんのほうが多く、オープン以来店の前にガードマンがひとり立っていて、いつも購入者の列ができています。今日店の前を通ったときの最後尾は2時間待ちでした。この待ち時間、特に珍しいことではありません。家族連れだったり、スマホを観ながらだったり、おとなしく並んでおられます。きっと美味しいんでしょう。そうに違いないとは思うのですが、やはり待ち時間と味とを天秤にかけて、それに見合うだけの美味しさとは何だろうか? と考えてしまいます。ところがつい最近、これはテレビで観たのですが、競馬のダービーの時の話で、ダービー開催の競馬場門前に、寝袋・食料などなど持参で数日前から並ぶ人が数多くいるという話です。これは初耳でした。さてダービー開催日当日、競馬場の開門と同時に、今か今かと並んでいた入場者は皆必死の表情で走ります。当人にとってベストの場所を確保する為です。テレビには躓いて転ぶ人も2,3映っています。競馬の祭典ダービーといえども約2分半の熱狂です。そのために数日間を犠牲にするのか、私にはとてもはできないと思っていますが、食べるために2時間並ぶのも、2分半のために数日間並ぶのも、人それぞれの価値観の問題であって、それは私が思うような犠牲ではないのかもわかりません。