2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
洗面所にて詠める 蛇口より瞬時にお湯の出る暮らし ここは極楽死なば地獄か スーパー「イズミヤ」にて詠める 季節なく並びしトマトきゅうりらよ すべて君らの罪にあらねど お釈迦様が閻魔大王にお尋ねになった、芥川龍之介がなぜ『蜘蛛の糸』という小説のな…
閻魔大王の判決により、なんと、芥川龍之介はカッパ、あの頭にお皿を載せたカッパでございますが、一節によりますと子供を見ると相撲を取りたがるとか、このカッパに生まれ変わって現世へとUターンが決まったのでございます。 この結論に至りましたのは、番…
「ウィンウィン」を推薦します。ウィンウィン、いいですね。負けがない。両方とも勝ちだからケンカのしようがない。互いにハグして別れられるというもの。ウィンウィンは平和の原点と言っても過言ではない、こころからそう思います。 「ウィンウィン音頭」 …
ウインウインて、なんでんねん? 教えておくんなはれ。いやね、これセルモーターとバッテリーの関係かなー? 思てましたんや。 バッテリーとセルモーターお互い機嫌が悪かったら「ウインウイン」言うて、エンジンなかなかかからんことおまっしゃろ。無理して…
閻魔大王、お釈迦様に繋がる電話の受話器に向かって話しております。芥川龍之介のあれこれを、閻魔帳を目の前にして話しておりますうちに閻魔大王の頭に、そのときの記憶が徐々に蘇ってまいります。 死んで、亡者となった芥川龍之介が閻魔大王の裁きの場に連…
「あーモシモシ、お釈迦はんでっか」 「モシモシ、どちら様でございましょうか。アッポイントはお済みでございますか」 「ナナ、なんだよこれは・・・アー驚いっちゃったよ、べらぼうめ」 閻魔大王はびっくりするとつい東京言葉になるという、お釈迦様とは逆…
「アイ」・・・とつぶやきながら閻魔大王、なんだまだアイの段か、アクタガワにはほど遠いなと思いながら閻魔帳の名前を目で追っておりますと、ある名前のところで「えッ?」と目が止まります。そこには「アイダ カツヒコ」という名前が載っています。どこか…
引き続き閻魔大王の執務室でございます。コンコンとドアをノックする音が聞こえますと、閻魔大王の右後方に不動の姿勢で控えておりました赤鬼の赤兵衛、素早く不動の姿勢を解きますとドアの前に。ドアの真ん中ほぼ目の高さに小窓がございます。いつもは閉じ…
その樹齢1万年という長い年月を、屋久島の厳しい自然環境のなかで耐えに耐え育まれてきた屋久杉の一枚板、と申しましても現在は伐採が禁じられておりまして、この薄い板もやっとのことで手に入った物、実態は裏側のほとんどは発泡スチロールということも仕…
「やったー! 今日の『水戸黄門』、新国劇の両御大の顔合わせやで。すごいな」 「おとーさん、よかったね。そんなにすごいの? このふたりって」 「そんなにすごいのって、ママンは知らんからそんなことが言えんねや」 「そしたら、よかったやん」 「ああ。…
さて、地獄で働く男鬼の大半は「獄卒鬼」と呼ばれております。先ほどご紹介しました馬頭(メズ)のヒン次郎はその大勢の鬼を束ねるサブリーダーで、普通の鬼とはちょっと様子が違っております。名は体を表すの喩えどおり、首から上は馬の頭という、これもま…
さて、ここで少しばかり時間を頂戴いたしまして、地獄における鬼についてほんの少し、お話をさせて戴きます。地獄の鬼については、皆様、だけではなく自分だっていつかはそちらのほうへ、まあ冷たいようですが、必ず旅立たれるわけで、ちょっとした予備知識…
閻魔大王の前に引っ張り出されたこれらの者が、生前は通用したからと甘くみて多寡をくくり「閻魔大王がなんぼのもんじゃい、エンマが怖くてサンマが食えるか」とわけのわからぬことを言って、生前と同じように自分に有利なウソを並べ立てましても、ここ閻魔…
というようなわけで、地獄というところは大変に恐ろしいところでございます。と申しましても、地獄は一様ではございません。わたくしなどのようなごく平凡な「名もなくせこくいじましく」生きている者の悪事などたかがしれたもので、拾った100円玉をポケ…
「えッ? ここからが、いままでのはかくかくしかじか経過説明、そうでっかあ? ややこしおまんねんなあ。その手紙の主、はあはあ、へえへえ、おかしいんやないかと、はあ? お釈迦はんに向こうてなんとバチ当たりな、ようもそんな無礼なことを手紙とはいえ、…
怖いものなしの閻魔大王とは申しましても、お釈迦様には敵いません。そこは心やさしいお釈迦様のこと、気をとりなおして話をお続けになります。 さて、お釈迦様が閻魔大王に向かってなさった相談がどんな内容のものであったか、かいつまんでわたしからご説明…
顔はと申しますとハワイ出身の相撲取りの元高見山、あるいは元横綱の武蔵丸か、現在で申しますと大関候補の最右翼と言われております御嶽海のような顔を思い浮かべていただけたらよろしいかと・・・知りませんけど。目はまん丸と大きく顔じゅうヒゲだらけで…
「もしもし」 「アッ、モシモシ」 「なんじゃこりゃ! えらい声やな、このキンキン声は。あかん、鼓膜がキーンいうてる。ドナルド・キーンやがな」 電話をおかけになったのはお釈迦様で、お釈迦様は思いがけないことに出会いますとつい、関西弁になるという…
話がちょっと横へ逸れましたが、私が永いこと会うてないと申しましたのはあの、この巣ですな、網状のあのトンボや蝶なんかが引っかかって蜘蛛の餌食にになるという、あの蜘蛛の巣のことでございますが、まあ、山登りでもすれば簡単にお目にかかれるんでしょ…
「おとーさん、今日のBS、なに?」 「ちょっと待ってよ。西部劇やな。『馬上の男』や」 「だれが出てんの?」 「ランドルフ・スコット、知ってるか?」 「知らん」 「1951年公開やから、ママンが5歳、おれが6歳のときの映画や」 「おとーさん、観たこ…
「ありがたく、あついあついといいましょう、ほらすぐそこに、さむいさむいが」 「なに、おとーさんそれ。なんかのおまじない?」 「いや、おまじないやないけどな。生きていくうえのささやかな知恵やな」 「どういうことよ」 「毎日毎日、この暑さや。この…
いっぱいのお運びで、厚く御礼を申し上げます。しばらくのあいだ、お時間を頂戴いたします。 わたくし、集合住宅の七階に住んでおりまして、先日のことですが、あんまり天気がいいんでベランダに出まして、あれはなんというんですかね、転落防止用の柵。あの…
「どれくらいかかった? おとーさん」 「3年くらいかな」 「そんなに。3日坊主のおとーさんがよう続いたな」 「ほんまや。自分でも信じられんわ」 「全部でどれくらいあったん?」 「20巻やな」 「3年もかかったん?」 「うん。毎日読んでたわけやない…
「どやった?」 「意味わからんかったけど、面白かった。けど、寒かったわ」 「おれも。ほれ、靴下」 「ハハハ、おとーさん、分厚いの履いてんねんなあ」 「冷房きついからなあ。ディカプリオ、ようやってたけど、ブラッド・ピットのほうが役としては得して…
「で、どないして覚えんの?」 「絵を見てひとつひとつ覚えるやりかたが出来りゃそれがええんやろけど、歳とるとなかなか時間がかかりそうやからな」 「なんか別なやりかたがあんの?」 「うん。おれが考えた方法はな、いやべつに、おれのオリジナルやないけ…
「おとーさん、タイトルがえらい長いね。いっぺんで覚えられる?」 「いや、これは覚えんでええんや」 「なに覚えなあかんの?」 「覚えないかんのはな、4枚の絵、例えば戦争で使う戦車とか大砲とか機関銃とか、こんなんを記憶力を試すんに利用するなんてど…
「どないしたん、おとーさん、こわい顔して」 「ほんまに! あきらかに差別やないか! バカにして」 「なにかあったん?」 「いや、来年の2月、免許が切れるからな、更新せなあかんねん」 「それやったら、したらええやないの」 「うん、それはするんやけど…
幼年時代から、私にとって無上の喜びであったきのこ研究となると、それよりもっと不幸な運命をたどることになるだろう。私は生涯を通じてきのこたちとの付き合いを保ってきた。今もなお、ただきのこたちとの旧交を温めるためにだけ、私は脚を引きずりながら…
「おとーさん、昆虫好きやろ」 「好きやな。子供のころは、友達みたいなもんやからな。昆虫で思い出したけど、このまえ『嵐』の二宮クンがビビって、カブトムシようさわらんかったのは笑うたな。おれかてヘビとかトカゲはあかんけど」 「ハハハ、笑たねあれ…
「ママン」 「なに?」 「テレビ観ててな、いま人気ナンバーワンはだれやと思う」 「だれやろ?」 「わからんか?」 「お笑い芸人かなんか?」 「ちゃうな。わからん?」 「わからんわ」 「言うたろか?」 「ほんまはどうでもええんやけどな。おとーさんが言…