朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

落語『蜘蛛の糸』ー44

お釈迦様と申しますのは、天国・極楽を統括いたしますもっとも偉いお方なのでございます。そのお方が象の背に揺られながらのご登場でございますが、お迎えするそれぞれ天上界の群衆、と申しましても、わたしなど側にも寄れないお偉い方々ばっかり、なんとも…

落語『蜘蛛の糸』-43

・・・さて、天国・極楽合同賢人会議にお集まりの方々のご紹介も、このおふたりのご紹介をもって最後でございます。おひとりはすでにお噺でご紹介しております、ご存じお釈迦様。もうおひと方は天国会の会長でございます、イエス・キリスト様、この方のご紹…

落語『蜘蛛の糸』-42

天国在住のエイブラハム・リンカーンと申しますと、アメリカ16代大統領でございますが、100年に1度開催されます天国・極楽の合同賢人会議にこの方も参加されるのでございます。 催し会場へは、この方の運転する超大型牽引車で登場、後方には、これまた…

『三度目の殺人』を観る

「おとーさん、最後まで観た?」 「ああ、観たよ。けど、ぼそぼそ言うし、はっきりわからんかったわ」 「大きしたらええのに」 「隣、めいわくなるやろ。10分もせんうち、コマーシャルやろ。気持ちが続かんわ」 「最後、どうなったん?」 「死刑」 「役所…

落語『蜘蛛の糸』-41

運転席がビルの5階ほどの高さにあるという馬鹿でかい牽引トラックが走行中に巻き上げた土煙り、その逆流した土煙がやっと収まりまして、だれが乗ってるのだろうと、見物していた大勢の神様やほとけ様、そして賢者の目が見上げる運転席に注がれます。 この下…

落語『蜘蛛の糸』ー40

さて、中国の神様仏様、またわたくし如き凡人にはとてもマネのできない賢人と呼ばれる方々のお噺、続きでございます。 孫悟空が操縦してまいりましたキント雲に山と積まれました諸々のなかには、大小が2段になった円形の、あのクルクル回して自分が食べたい…

落語『蜘蛛の糸』ー39

ここまで、日本でお馴染みの神様をほんの少しだけ紹介させて戴きましたが、神仏と申します。セットになっておりますからご紹介しないわけにはまいりません。ほとけ様も少しではございますがご紹介申し上げたいとおもいます。 日光・月光の菩薩様、あの手この…

落語『蜘蛛の糸』-38

まだまだ、続続とやってまいります神々のお噺でございます。ご存じの七福神はおめでたい宝船での参上でございます。この宝船、どこかの港に着いてそこから駕籠が馬に乗って宴会場まで来るのかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、この宝船、空飛ぶ…

落語『蜘蛛の糸』-37

ヤオヨロズ、800万の神々と申しましても色々でございまして、わたしどもが、それはちょっと困ると思うような方々も含まれております。貧乏神に疫病神、もうひとり忘れてまへんかと手を挙げましたのが死に神さんで、わたしどもはこのお三人の神様を忌み嫌…

落語『蜘蛛の糸』-36

さて、天国と極楽によります100年に一度開催される賢人会議、オープンでございます。まあ、賢人会議と申しましても実態は飲めや唄えのドンチャン騒ぎ、この期間中は無礼講でございましてイエス・キリストはキーやん、お釈迦様はシャーさんと親しく呼ばれ…

落語『蜘蛛の糸』-35

そんななか、100年に一度開かれという、天国と極楽合同の賢人会議が催される日がやってまいりました。 この噺をお聞きになってる皆様のなかには「天国と極楽は、一緒とちゃうん?」とお思いの方もおいでやないかと思うんですが、そうやないんでございます…

ヒロシです。

ヒロシです。悩んでます。 来年の3月から4月へかけてのスケジュール、どうしたらいいのか、悩んでます。 マネージャーに聞いたら、いまのところ、ひとつも入ってないんだそうですが、悩んでます。 来年の、安倍首相主催の花見、呼ばれたらどうしたらいいか…

落語『蜘蛛の糸』ー34

お釈迦様と閻魔大王の、キー子ちゃんについての話題も一段落をいたしまして、閻魔大王がお釈迦様へなぜ電話をかけたのか、その本題へと話は移るのでございます。 閻魔大王はお釈迦様へ、蜘蛛の糸にまつわる一件の全容を説明申し上げ、それが解明したことを伝…

落語『蜘蛛の糸』ー33

「もしもし、あれ? お釈迦はん? お釈迦はんでんな」 「そうです。釈迦です。大王君ですな。どうしました?」 「ああ、いや、キー子が出るんか思たもんで。いてまへんのか、キー子」 「キー子ちゃんにご用だったら、いまは電話に出るのは無理ですな」 「ど…

落語『蜘蛛の糸』-32

思いもかけぬカンダタの逆襲に遭い、閻魔大王思わず関西弁を口走ってしまうという、もう尋問もなにもあったもんじゃございません。それでもなんとか閻魔大王の威厳だけは保つことができたのでございます。 一応、落ち着きを取り戻しました閻魔大王、 「相違…

落語『蜘蛛の糸』ー31

というようなわけでカンダタ、閻魔大王の前に召し出されたのでございます。 「これその方、カンダタに相違ないか?」 「はい、カンダタでございます。相違ございません。それがなにか?」 「それがなにか? ・・・それがなにか、とは、なな、なんやねん? ン…

落語『蜘蛛の糸』ー30

さてお噺をもとに戻しますと、と申しましても、わたくしの話はもとがなんの噺だったのか、これだけ横にそれたり、たびたび道草を食ったりしておりますとなんの噺をしているのか自分でもわからなくなるという、このお釈迦様にレターを送った老人とさした変わ…

落語『蜘蛛の糸』-29

さて、相変わりませずの余談道草でございますが、お付き合いのほどお願いを申し上げます。お釈迦様へのメールが、この老人の思わぬ方向へ展開したのは仕方ないといえば仕方ないことですが、とは言っても、お釈迦様を悩ます結果になった手紙を書いたというこ…

落語『蜘蛛の糸』ー28

お釈迦様が蓮池の底にご覧になったのは、血の池で浮いたり沈んだりしております現世ではなにひとつとして善いことはしたことがないという、極悪人のカンダタという男でございます。 ところがこの悪人、生涯でただひとつだけ善いことをしておったのを、なんの…

落語『蜘蛛の糸』-27

まだら鬼のブチ太夫によって、閻魔大王の執務室へ引き連れられて来ましたこの老人こそ、お釈迦様に匿名の手紙を書いた張本人だったのでございます。今やこうして亡者となってしまった以上どうすることもできず、かねてから小さい身体をより縮こませて、ガタ…

落語『蜘蛛の糸』-26

・・・さて、閻魔大王からかかってまいりました電話の内容を黙って聴いておられましたお釈迦様は、その電話の内容と申しますのが、睡眠薬で正体をなくした龍之介カッパを一度現世へと戻し、その上、意識を回復したのが確認できたら再び龍之介カッパを地獄へ…

落語『蜘蛛の糸』-25

龍之介カッパから龍之介が離脱いたしまして、正真正銘100パーセントのカッパとなりましたその時の最初の行動はと申しますと、横たわっていた大蛇ヶ淵の川底を水掻きのついた両足で思いっきり蹴ります。と一気に水面へと浮上、勢い余って5メートルほど水…

落語『蜘蛛の糸』-24

龍之介カッパと赤鬼赤兵衛の眼下に広がる大蛇ヶ淵は、月の光を受けて、まるで奈落の底へと誘う入り口のようで、月の光が波に揺れて揺らいでいる様を途方に暮れて見ております赤兵衛、それが、まるで自分を嘲笑っているように感じられ、目の玉がクルクル回っ…

落語『蜘蛛の糸』-23

赤鬼の赤兵衛が突然、なぜこの大蛇ヶ淵の大岩の上に現れたのかと申しますと、閻魔大王の命令によってのこと、どうも白黒まだら鬼のホルスタインだけでは龍之介カッパを任せるには心許ないと思ったからでございます。なにせ閻魔大王には、お釈迦様がお尋ねに…

落語『蜘蛛の糸』-22

さて、睡眠薬のせいで一向に眠りから醒めぬ芥川龍之介カッパに噺を戻しますと、今以て昏睡状態が続いております。閻魔大王のお裁きの場から始まって現在只今まで、龍之介カッパは眠りから覚める気配がございません。閻魔大王に命じられて番卒鬼白鬼Cは三途の…

落語『蜘蛛の糸』-21

さて、長い洞窟生活から抜け出ましたオオサンショウウオ、その後どうなったのかと申しますと、ここでまた『蜘蛛の糸』の本題から横道へ逸れるのでございますが、お付き合いのほど宜しくお願いを申し上げまして、まあ、なんと申しましてもこのお噺、作者がい…

落語『蜘蛛の糸』-20

実を申しますと、気の毒にも亡くなった川漁師がこの大蛇ヶ淵で謎の生物を目撃したのは本当のことでございます。「大蛇ヶ淵」は先刻申しました通り迷路のように入り組んだ構造になっております。 その奥深く、一匹のオオサンショウウオが棲んでおります。そこ…

日本無責任時代と幼時化現象時代

「無茶苦茶やな」 「おとーさん、また始まったな。なんやのん、無茶苦茶て」 「カンデン、関西電力」 「ああ、あのこと」 「止めて、ガスに変えたろか」 「変えたろかて、ガスで電気点くわけないやろ」 「電気もやってるで、大阪ガス」 「ほんま? けどおと…

落語『蜘蛛の糸』ー19

と、50メートルばかり向こう岸の、ちょうどその淵のあたり一面の川霧が急にふわりと持ち上がったのでございます。なんだろう? と川漁師、その盛り上がった川霧を不思議そうに眺めております。と、そこから、盛り上がった白い川霧のもやを2メートルばかり…

落語『蜘蛛の糸』-18

この淵は、川とは思えないほどの深さで、その川底は、この川のことなら手に取るように知っているという地元の川漁師でさえ、つぶさには知らないというほど。水面から上には大きな岩がせり出しておりまして、その上のほうは急峻な山の崖になっております。こ…