おれの友達の友達が尻池2丁目の交差点の角でガソリンスタンドの店長をしていた。角ハンドルのオート三輪はここで借りたものだ。おれはどこかへ旅行しての帰りだった。どこへ旅行したか、だれと一緒だったか、きのうまでは憶えていたが、いまは憶い出せない。…
「そやな、おとーさん。付き合うたころから『なんやこの人は』思てたんやけど、おとなしいというか無口というか、ほとんどしゃべらん、クチが重かったな」 「そやな。今とはえらい違いやな。家の躾が、子供のころから、男はべらべらしゃべるもんやない、ばあ…
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