朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

さくら

 寅さんの妹の名前は「さくら」です。なぜ「さくら」なのか、その答えがふと頭に浮かびました。思い当たったのが寅さんの商売、露天商です。渥美清の歯切れのいい台詞回しが今も耳に残っています。啖呵売というんやそうです。

 このような、特殊といってもいいかと思いますが、商売には「さくら」が付き物です。兄と妹、露天商とさくら、どちらも切るに切れない関係です。語源の由来を調べてみますと一説に、江戸時代の芝居小屋がありました。

 原作者でもある山田洋次さんがなぜ、寅の妹に「さくら」という名前をつけたのか?それはいまもって分かりません。

 以下は余談ですが、最近、『家族』という映画をテレビで観て、倍賞千恵子という女優さんの素晴らしさを改めて認識しました。倍賞千恵子の卓越した演技力に感動して思ったことは、黒澤明が、妹の美津子は2作品に起用しているのに、姉の千恵子になぜ声をかけなかったのか、黒澤演出の倍賞千恵子を一度観てみたかったという思いが、今も心に残っています。