朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

ご飯がうまい!(朝食編)

 ご飯がうまい。「ボカァ、しあわせだなあ」と若大将をマネてみる。

 朝はパン食。「イズミヤ」のパン売り場で買った150円の食パンがなかなかの掘り出し物でこればっかりである。

 妻と二人、これで4日は保つ。160(消費税含む)÷4÷2=で、一人頭20円である。もちろん朝食はこれだけ、ということはない。

 まず野菜サラダ。ガラスの耐熱器をふたつ用意する。白と黒の炒りゴマを摺り器でガリガリと摺る。100円ショップで売ってるやつだ。そこへリンゴ黒酢と普通の米酢をブレンドしたのをほぼ大さじ1杯づつ。妻用の器はここまで。

 私の方はまだ続きがある。ゴマ油とオリーブオイルをそれぞれふた垂らしほどに、加えるは作ったのが昭和の御代だったか平成になってからだったかもう忘れてしまった真っ黒の梅酒をこれまたふた垂らしかみ垂らしほど。これを箸で掻き回す。

 そこへニンジンの千切り千切ったレタス、キャベツの細切りトマト1個を6つか8つに切り分けたものの半分、を自分の好む順序で入れる。「イズミヤ」へは毎日のように行くので、ブロッコリーが安かったら、これを切り分けたものも時には器の縁を飾るトマトで囲むその真ん中に加えることもある。

 ラップを掛ける。電子レンジで1分間。妻はカリカリシャキシャキ、野菜に歯応えがあったほうがいいらしく30秒。私はシナッと派である。まだ食べない。

 ラップをのけて黒の粒胡椒をカリカリ、ァマ二油をクルッと一周。まだである、あわてない。陶磁器の地味な器の登場である。そこへポン酢を大さじ2、ゴマ油とオリーブオイル小さじおのおの1を加えてスプーンの背でトロッとするまでかき混ぜる。

 ドレッシング完成だ。

 厚切りの時もあるが薄切りの時もある。「厚切りでええか?」と妻に確認する。「ええよ」と返ってくる。パンを切るのは私の役目である。妻は垂直にまっすぐ切るのが苦手のようである。そのつもりで切るのだが不思議とゆがんでしまう。

 山の部分を1センチほど横に切る。ベランダに来る雀の分である。この前数えてみたら10羽以上だったのには驚いた。いつもは2羽か3羽で、その時期になると子雀を連れてくる。

 ほぼ半分平等のあたりに包丁を入れる。菜切包丁これ1本でほとんど足りる。

 パンを焼く。うちのは焼けたらポンと跳び出すやつではなく、横の蓋を開ける式のパン焼き器である。つまみを回すと熱で中が明るくなり焼けていく行程を見ることができる。

 妻はコーヒーかスープの用意をする。「スープでええ?」と妻。「ええよ」と私。呼吸はぴったりだ。スープかコーヒーか

どちらに転んでもインスタントだ。

 パンの焼け具合を見る。ちょっとの油断で黒焦げにしたことは何度もある。これも古いパン焼き器だ。ちょっとしたことで焼く時間をセットするつまみがポロリと抜ける。震災の後に買ったやつだから何年になるか。減価償却で毎日1円づつ積み立てたとしても2個くらいは買えるかもしれない。

 冷蔵庫からマーガリンの器とジャムの瓶を取り出す。今は、焼いたパンにはりんごジャムと決めている。妻と話し合って決めたわけではないが、パンのあとに食べるヨーグルトに入れるのがブルーベリージャムだから自然そうなっただけなのだ。

 この時点ではもうサラダは食べ終わっている。パン焼き器からパンを取り出す。ちょうどいい塩梅の焼け色だ。マーガリン用ナイフでマーガリンの上っ面をこそげてマーガリン塗る。2度3度とこそげ取ったのを塗りつける。そしてもう一度、余熱のパン焼き器のなかにいれる。マーガリンがじわり溶けてパンの表面に染みていく。

 マーガリン味で半分ほど食べる。あとの残りに「ジャム塗る?」と私。ふたりとも食べかけのパンにジャムを載せる。この時点で半分以上冷めてしまったパンとその上に載せた冷蔵庫から取り出したジャムは口に入れたとき冷たいので、今度はパン焼き器では無く電子レンジで「チン」する。レンジのテーブルの上で一回り。パンも温かく柔らかくなって自然顔がほころぶ。

 妻にも勧めるが、「これでええ」と冷めたのを食べている。温めたほうがおいしいのに。

 コーヒーは「ゴールドブレンド」。安売りの時を狙って買う。この前まで、ミルクはパックの牛乳で済ませていたが、妻の兄夫婦や妹が遊びに来たのを機にフレッシュに変えた。そうするとやっぱりこちらのほうがおいしいのでそれからこっち、妻はフレッシュを買うようになった。

 パンとコーヒーのあとはヨーグルトである。これも、プラスチックパックに入ったものを直接使うのではない。このヨーグルトを種にヨーグルトのクローンを作るのだ。ひとパックで9日分取れる。3日分づつ3回作る。

 ヨーグルトを食べる段になって書き間違いに気がついた。訂正したい。雀のところである。私は厚切りしたパンの山の部分1センチほどすべてを雀のエサみたいに書いたがこれは違う。エサとして妻がベランダの床に撒くのはその半分だ。あとの半分は妻と分け合う。このいわば4分の1になったパンで、サラダを食べた後のガラス器に残ったドレッシング残滓を拭く。

 さあいよいよヨーグルトの番だ。バナナ1本の皮を剥き、2つに折ったのが皿の上でラップを被っている。いつも妻が用意する。レンジに入れる。何分? と訊くと1分と妻が応える。

 原型から見ればだいぶだらしなく寝そべったバナナを、パンの端できれいに拭き取っ2個の耐熱ガラスに分けて入れる。次に冷蔵庫から取り出した、陶磁器のコップにこしらえた3個のうちの1個、その分量をスプーンですくってほぼ半分づつ分け入れる。いつも私のほうが少し多い。

 そこへブルーベリージャムをおのおの一さじづつ。業務スーパーで買ってきた袋入り500グラムの冷凍ブルーベリーを煮てジャムにしたものだ。いつもふた袋買う。

 そこへ妻がきな粉を半さじ。20秒チン。スプーンでかき混ぜて食す。ヨーグルトにはブルーベリー一番合うような気がする。いちじくもいいな。

 

 そうそう忘れてた。チンする前に、生年月日不明真っ黒けの梅酒も入れる。これは私だけ。「そんなもん入れたら、体悪するで」と妻。