懐かしき捨丸・春代
「えー漫才の骨董品でございまして」なんていうてたな。ちょび髭生やして、ニッポンのチャップリン。「阪神・巨人」の巨人が時々真似するんをテレビで観たけど、最近は観てない。分かる人も少のうなったんかな。
「まっすぐ死んでも、いがんで死んだ」これ聞いたとき、秀逸やなと感心した。「胃がん」と「ゆがむ」を掛けたんやけど、感心したのはまっすぐ死ぬの、「まっすぐ」やった。普通、まっすぐ死ぬなんて、このご時世おいでやったら天然記念物か世界遺産に登録されるんやないか。
映画なんかでよう観るヤクザの抗争で斬ったり斬られたり、撃ったり撃たれたり、その死に様は悶絶、いがんでまっすぐとはならんと思うが、棺桶に収まるときはまっすぐに修正される。「おお、まっすぐ死んどるなあ」ということやろな。
「かわいそうだよズボンのオナラ、右と左へ泣き別れ」
オナラまでにも深い情をかけるなんて、尋常やないで。
「蚊帳の中から片足出して楠木正成これにあり、足蚊(足利)が攻めるじゃないかいな」
素晴らしい。これを機に歴史の勉強始める人もないとはいえん。昔の人が歌舞伎からいろいろ学んだいうけど、漫才も負けてない。
一度だけナマで漫才聞いたことあるけど、久しぶりにYouTubeでお目にかかろかな。