続 ニッポン復活
「年寄りを大事にせー、いうんはな」
「ふんふん」
「老後、つまりあと何年生きるか、50年も60年も生きるわけやないけど、人生100年時代なんて脅しかけられると、『えらいこっちゃ、もっともっと節約せにゃあかん』てなわけで、財布のひもギュウッと千切れるほど締めるわな、不安やから」
「そら、そうなるやろな。うちかて、今でも生活かつかつやで。それやったらおとーさん、100まで働いてもらわなあかん、ちゅうことやで」
「元気やったらな、100が150でも働くけど、あかんいうて、寝ててカネくれるとこないやろ」
「どないすんの?」
「そやから言うてんねや」
「どないしたらええの?」
「単純に言や、年寄りの不安取り除いたらええだけの話やけどな」
「不安取り除くて、どんなことすんの?」
「60歳でも70歳でもええ、それ以上になった年寄り、なんでもかでもタダにすんねん」
「そんな無茶なこと、できるわけないやろ」
「無茶なことでも考えんと、国の借金、1000兆やで1000兆、トーフの1チョウ、鎌の1チョウとはわけがちゃうんやで」
「そんなことしたら、余計借金増えるんと違うの?」
「そこや問題は。ここからが肝心なとこやけどな」
「ふんふん」
「年金や、生活保護費止めてまうねん」
「あかん、それあかんわ。生活でけへん」
「おれの話、聞いてたんかい。そやから年寄りなんでもタダになる、タダにするいう話の上での話やないか」
「そんなうまいこといくやろか?」
「いくかいかんか、やってみなわからん」
「そやけどそれ、えらいむちゃな冒険やで」
「そらそうや。おれかて思いつきで言うてる話やからな。というて今みたいに、入ってくる倍のカネ使うとったら、どないなる?」
「国がやってることってそんなん?」
「そやで。そやから、ママンに財務大臣やってもらおか、言うてんねん」
「なんでもかでも、タダになったらええなあ。入った年金、みな貯金出来るがな」
「おれの話、聞いてないな」
「聞いてるよ。そやけどそれ、自分がジジイになったからいうての考えやろ?」
「まあ、そやな」
「それ、エゴイストの考えることとちゃう?」
「エゴイスト! そないにホメてもろたらかなんなあ。ただの身勝手なたわごとや。笑うやろ?」
「笑われへん」