元町商店街ぶらり
「おとーさん知ってる?」
「なに?」
「元町商店街で、なんか催しがあるみたいよ」
「そうか、行こか?」
「うん、行こ」
「なにやってるんやろな? 神戸祭りかな? 調べてみるわ」
「どやった?」
「パソコンで調べたけど、気配ないで」
「そう、電話した?」
「そやな、商店街電話してみよか」
「どやった?」
「あかん! 呼び出してんのにだれも出らへん。出るか思て待ってると、しまいにはピーいう音が出る。なんじゃこら」
「どないなってんの?」
「ほんまやで。ようこれで電話番号載せて商店街いらっしゃい宣伝してるな。意味わからんわ。商店街やのうて商店害やな」
「しょうがないな」
「まあ、ええ天気やからな。土・日の電車の回数券、まだ6枚残ってるやろ。ぶらっと行ってみよか?」
「そうしよか。天気ええしな」
「高架下の『長野屋』で名物のカレーソバ食って、『イッカンロー』の豚まん買うて帰る、ちゅうんはどうや?」
「ええなァ、それしよ。おとーさん出しでええか?」