アタマの体操・オセロゲームをやってみよう
「ママン、やったことある?」
「なに?」
「オセロゲーム」
「ああある。負けへんで、自信ある」
「そうかァ、やめとこか? アカンねん。苦手やあれ」
「どうすんの?」
「いやあ、今日な。百均で500円の将棋セット買いに行くんやけど、ついでにオセロも買うたろか思たんやけどママンが自信あるいうやろ。どないしよか思て」
「どういう意味? わたしに負けるんがいやなん?」
「そういうわけやないけど」
「そういうわけやないの。わたしが知らん将棋でわたしをやっつけて、ええ気持ちになろなんてアカンよ。買うんやったら、オセロも買うといで」
「オセロなんぼかわからんけど、出してくれるか?」
「おとーさんが出したらええねん。素直に買てくる言うたら『わたし出すわ』言うたんやけど。アカン、おとーさん、出し」
「ハイ、わかりました」
「将棋も、アタマの体操になるから買う、言うたんちゃうの?」
「そうや」
「それやったら、将棋よりオセロのほうがアタマの体操になるんとちゃう? 苦手なんやろ?」
「そうやな。スマン、おれが間違うてたわ。行って、オセロも買うてくるわ」
「半分出したろか? 出したるわ」
「ええよええよ。そんなに高こないと思うで。将棋もセットで500円やからな」
「簡単やで。シロとクロだけやからな。おとーさんが将棋教えてくれたら、わたしがオセロ教えたるわ。なあそれでええやろ?」
「有り難うございます。よろしくお願いします」
「なに言うてんの。夫婦やのに水くさい」
「いやあ、親しき仲にも礼儀あり、やで」
「わかってるやないの」