朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

續 桃太郎と浦島太郎の物語

(昨日からの続き)

「そやな。わかった。あんたに譲るわ。けどこんなんがなんの役に立つんやろ? 開けたが最後、白い煙がパッと出て、ジジイになるなんてほんまはお断りやで。ハハーンわかった。あんた、玉手箱、オークションにかけよー思てるやろ?」

「ドキッ。ちゃうちゃう、いまあんたから聞いて、なるほどその手もあるな思たくらいで、ほんまのこというとな、おれも竜宮城行ってみたいなあ、思て。それでこの玉手箱あったら、これが証明になるやろ。島太郎ちゃんに譲ってもろたんやー言うて」

「そういうことかいな。おれまた、こいつおれにディール仕掛けてきたんとちゃうか、思てな。ゴメンゴメン」

「わかってくれたんやったらそれでえーわ」

「それやったら、オっちゃんに連絡とってあげるわ」

「オっちゃんてだれのこと?」

「乙姫のオっちゃんや」

「なるほど。頼むわ」

「向こう行く前にちょっとややこしい手続きあるけど、えーか?」

「任せるわ。竜宮城行けるんやったら少々の手続きはへっちゃらや」

「そしたらな、いつつむっつからやっつここのつくらいの男の子5、6人集めてくれるかな。ちょっとワンパク大将の、トランプみたいな子も入れてな」

「集めて、どないすんの?」

「わからんか? その子らが、子ガメをいじめるんや。それを、通りかかったあんたが助けるというストーリーや。その子ガメともう一頭、親ガメはおれが手配するからな」

「親ガメもいるの? 子ガメだけでええんちゃうの?」

「なんやねんな。鬼ヶ島に鬼退治に行ったわりには鈍なオトコやな。金銀財宝よーけかすめ取ってきて暮らしが安定すると、アタマのネジまで緩むんやな」

「かすめ取ってて、えらい言われよーやな。けど親ガメ、どーすんの?」

「説明いるんやったら説明するけど、いるの?」

「頼むわ」

「しゃーないな。言うたるわ。あんたが子ガメを助けて、その子ガメが恩返しやー言うてあんたを背中に乗せて竜宮城まで連れて行くまでに何年かかると思う? そやろ? そやさかいの、親ガメや。即竜宮城へ一直線、行けるやろ。それを言うてんねや」

「スマン。ありがとう。そこに気がつかなんだんは、やっぱりアタマのネジゆるんでるんかいな。そしたら子供集めるんで、カメのほうは頼むわ」

 

 というようなわけで、浦 島太郎に続いて桃太郎の竜宮城訪問が決まります。さてさて、竜宮城における乙姫と桃太郎のあいだにどんなハプニング、想定外のことが起きますことやら、「桃太郎と浦島太郎の物語」、ご期待を乞いまして、おハナシの半ばでございます。