朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

参議院議員選挙に出る

「ママン」

「なに?」

「出よ思うけどな」

「出る? 家出すんの?」

「なんでおれが家出せなあかんの」

「いや出るゆーから、パッと浮かんだんが家出やったんや」

「出て欲しいんかいな」

「別にそーゆーわけやないねんで。出るゆーて、なんなん?」

参議院

参議院? とーひょー、もー行ったやないの。もー早うに」

「出るゆーんはな、とーひょーやないねん。立候補するゆー意味や」

「だれが?」

「だれがて、聴いてないんかいな。おれおれ」

「おとーさんゆーんはわかってるわいな。けどだれかてこんなとき『だれが?』ゆー思うで」

「まーな。どやろ?」

「もー遅いんちゃう?」

「看板、まだ何人分か空いてたで」

「かんけーないやろ。出たいの?」

「そや。そやさかい、出る、ゆーてるやろ?」

「ゆーても聴かんからな、おとーさんは」

「ゆーたで。ナイショで、ママンに言わんと出るんとちゃうからな」

「ゆーても聴かんやろ。勝手にしたらえーやんか」

「アリガトウ。マイク借りてこなあかんけど、ママン、どっかないか?」

「どっかないかて、いろいろよーいして決心したんとちゃうの」

「思い立ったらすぐやるんがおれの流儀や」

「なにがおれの流儀よ。そんなんでどないして選挙出れんの」

「決めたんやからしょがないやないか」

「なんで? おとーさんなんで、そないなアホなこと考えたん?」

「アホなことか?」

「アホなことやないの。ゆーてごらん。そないなこと、なんで考えたん?」

「わけのわからんことゆーたり、したりしてヘタうっても辞めんで済むからな。ボーナスなんかでもよーけもらえるんや。いまの仕事、時給最低の871円やで。それでもヘマしたらクビや。けど、アイツらまわりのもんからよってたかって『辞めー!』言われても『自分の信念に基づいて職責をまっとーする』なんてカッコえーやないか。憧れるな」

「それでおとーさん選挙出るゆーてるんやな?」

「そーや。おれも来年はこーきこーれーしゃや。まあ、最後のご奉公、このク二で生きらしてもろた恩返しのつもりでガンバローか思てな。どや、すーこーな考えやろ」

「すーこーかどーか知らんけど、やめとき!」

「なんでや?」

「おとーさんのヒンがのーなる」