朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

3人の神様

司会「ご紹介しましょう。3人の神様です。まず手前から貧乏神様、続いて厄病神様、そして死神様です。本日はお忙しいところお出で戴きまして有り難うございます。宜しくお願いいたします」

3人「よろしこ」

司「よろしこ。大変にお忙しいと伺っておりますが、まずじゃあ、貧乏神様から伺いましょうか。いかがですか?」

貧「たしかに。右肩上がりに忙しさは増してるといっていいでしょう。いつだったかもう忘れてしまいましたが、右肩下がりの日本経済との線がクロスしましてその乖離幅がどんどん大きくなっている、というのが大まかに申しまして現状でございます」

「なるほど。その右肩上がりと右肩下がりの線がクロスしたという、正確な時期というのは・・・・?」

貧「あなたねえ。そんなことはわたしにとってどうでもいいことなんです。大掴みにつかんでおればそれでいいんです。日本が今後豊かになるかそうでなくなるか、日本の抱える借金、国債とかなんとかうまいこと言うて目眩まししてるけど、これ分かりやすく言えば借金でしょう。いずれ返済しなきゃいかんおカネが1000兆円を超えてるという、それに加えて少子化とかで人口が減っておりましょう? どうするんですか? あなた」

司「わたしに言われましても・・・たしかに、貧乏神様に経済のことで細かいことを伺って大変失礼しました。では気分を変えまして、疫病神様、お願いいたします」

厄「お陰様でと言っていいのかどうか迷うところですが、忙しくしております。今しがた貧乏神さんはお触れになりませんでしたが、高齢化という問題とともに、テレビコマーシャルなどで盛んに宣伝しております医薬品や健康食品、また身体にとって、なんでそれが必要なのと首をかしげるようなサプリメントなどなど、また運動を補助する器具、あるいはまた女性の方には山ほどの化粧品や少なくなった髪をふんわり見せるウイッグや、『ウイッグもいいけど、今は混ぜ髪』などなど、いつまでも若くありたいというのは男性女性の別なく理解はできますが、身体にいいから、若さを保つからとあのCMを真に受けて飲んだり食べたら塗ったり着けたり、そんなことをしてごらんなさい。まちがいなく身体を悪くします。健康のため、若さを保つためと高いカネを払って病気になる、これを笑いにすればブラックジョークでしょうが、わたくしどもの言い方ですと、厄災ということです。わたくしにとっては忙しくて有り難いことですが」

司「有り難うございます。落ちまでつけて戴きまして。やはり大きな問題となっております高齢化というのは深刻さを増しているのでしょうか」

厄「ええ、そういうことです。厳密に申しますとわたくしの役割はふたつに分けることができます」

司「ふたつ、ですか?」

厄「そうです。厄と病のふたつです」

司「なるほど」

厄「病、つまり病気はもう説明は不要と思いますが、厄ですね、これを分かりやすく言います災難、厄災とも言いますが、ひとつ例をあげて言いますと自動車事故です。これは事故を起こした方も災難ならばぶつけられた方も災難、まあどちらが災難度が大きいかは、申すまでもないことですが」

司「なるほど。高齢化は単純にめでたいと喜ぶほど単純ではない、ということですね」

厄「その通り。高齢者の自動車事故などはその好例です」

司「有り難うございます。ではコマーシャルのあとに死神様にいろいろとお尋ねしたいと思います。コマーシャル」

 

 ・・・このお味噌汁おいしいねえ。もうほとんどプロの味。ぼくはナメコだね。

 ・・・はまりましたねえ。

  プロも絶賛! 「初めて出会ったおいしさ」 おいしくて大好きです。すごく身体にいいのに、すごくおいしい。一日に必要なお野菜の不足分を補えるのと、16種類いろいろなお野菜を摂れるというのは、文句につけようがない! 

 おなじ野菜を扱う者として悔しいくらいです。「16種類の野菜」は、私史上一番ですね。

 

司「お待たせしました。では死神様よろしくお願いいたします」

死「いやあどうも。わたしのところはどうも、おふたりのところのようにはどうも、いきませんなあ。はっきり言って景気悪い」

司「ほほう、悪いですか」

死「悪い。なかなか死なんようになりましたからな。以前とは比べもんにならんくらいIEKの時代になりましたからな」

司「IEKですか?」

死「そう、IEKです」

司「もうひとつ・・・どういうことでしょう?」

死「医療、栄養、環境です。相対的に良くなりましたからな。なかなか死によらへん」

司「なるほど。死によらへんですか。100歳が珍しくなくなりましたからね」

死「さよう。先代、わたしのオヤジのことですが、当時は、歌の文句で『今年60のおじいさん』いうんがあったが、今の60歳は孫どころか、相手さえおりゃ子供でも作ろうか、いう歳ですからな」

司「なるほど。出る幕ないわ、いうことですね」

死「さようさよう。しかしどうも皆、『死ぬ』いうことを誤解しとるじゃないか、死というんはそんなに悪いもんじゃないと思うんじゃが」

司「いやあ、それは、だれでもそう思うのが普通ではないですか」

死「わからんわけではないが、解放されますからな。嫌な、煩わしいいろんなことに思い煩うことものうなるし、例えば貧乏神さんや厄病神さんを前にして言うんもなんですが、ガンになった、カネがない、明日の生活どうしようなんて、気にせんでも済みますからな。それでもまだ、生きてたほうがええ、というのもわからんわけではありませんが」

司「本日は貴重なお話しを有り難うございますた。貧乏神様、疫病神様、死神様に温かい拍手を。ガヤガヤ不自然食品の提供でお送りしました」