朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

ひねるとじゃー

「ぜーたくやな」

「なにが?」

「そやからぜ-たくやな、言うてんねん」

「そやからなにがー言うてるやろ」

「ありがたい話やで」

「なんの話よ」

「お湯がでるやんかー」

「どこからー?」

「わからんか?」

「わからん?」

「顔洗うときお湯が出るやろ。ぜーたくな話やで。なみだ出そうになるわ」

「なにをおおげさなこと言うてんの」

「かまどでお湯わかしてたころ思い出してみィ。ありがとうて、なみだ出るわ」

「もうええ、言うてるやろ」

「ママン(妻)も経験あるやろ」

「なにがよ?」

「火ィ焚いて、お湯わかしたこと」

「あるけど、昔の話や」

「ありがたい思わんのか?」

「そら思わんわけやないけど、あんまり思たことないな。いまの子、そんなこと考えもせんで」

「そやろな。経験ないからな。経験あるから、ありがたい思うんやろな」

「そうや」

「おれらかて、いまの時代うまれとったら、親に『むかしはこうやったんやで』言われても、『ああそうか』でおしまいやもんな」

「こどものころ、ひねるとじゃー言うてた? 言うてたやろ?」

「ああ言うてた言うてた。まんじゅうのこと、おすとあんでる、言うてたか?」

「うん、言うてた言うてた」

「笑うな」

「うん、笑う」