朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

続続続続 ??????・・・

「わかったあ!」

「えッ? なに?」

「ピンピンピーンときた」

「きたか、なにが来たんや?」

「わからんの」

「わからんな?」

「なんやのん、人にはピンピンピーンとこんかあ、言うといて」

「わからん?」

「仙人さん、ヒントや言うて、なんか言わはったんやろ、なんて言わはった?」

「あれッ? なんやったか。ママンが大きな声だすんで、飛んでもうたがな」

「またわたしのせいかいな。たよんないなあ、知らんけど。言うたるわ。『押しても駄目なら引いてみい』言わはったんやろ?」

「そうそう、それそれ。それでどこがピンピンピーンと来たんや?」

「わからんのは算数の問題やろ。算数いうたら足し算引き算掛け算割り算、まあいろいろあるやろけど、おとーさん、よう訊きや。チコちゃんに叱られるどころか、笑われるで」

「そこまで言わいでも、まあ、なあ」

「おとーさんがわけわからんこと言い出してここ何日か、訊くともなしに訊いてたんやけど、おとーさんあんた、足してばっかりおったやろ」

「足してばっかりて、なんのことや?」

「いま算数の話してんのやろ、ほんまに。わからんのかいな、ほんまにィ。言うたるわ、仙人さんなあ、『足しても駄目なら引いてみよ』言うてはんねや」

「一緒やないか、変わってないがな。なに? あ~あ、そういうことか。それやったらそうと最初から言うてくれたらええのに」

「まあ、言うてくれはっても、あんたのこっちゃ、わかるかどうか、知らんけど」

「ボロカスやな」

「足してばっかりおらんと、いっぺん引いてごらん」

「マイナス2からマイナス2を引くやろ? おれのこの人差し指とたかたか指がマイナス2として、と、これをぎゅっゥと、取ってもうたら、なにが残るかというたら、なーんも残らん。残らんということは、ゼロやがな? 間違うてないか? ママン、ちょっと手ェ貸して、ママンの指でやってみるわ」

「アホ! なにしてんねんな。これをやな、式にすると(-2)-(ー2)=0とこうなるんよ」

「かしこいなあ。尊敬するはフランス人」

「それはええねん」

「えーとなんやったかな・・そうそうそや、マイナス2掛けるマイナス3がなんで、プラス6になるんやーで3日も4日も悩んでたんや。そやったな?」

「知らんがな」

「そやそや、そやったそやった。プラス2掛けるプラス3は6。この6を因数分解すると」

因数分解やて、意味わかってんのかいな」

「ちょっと、ちょっと黙っててな。いま大事なところやねん」

「向こう行っとくわ」

「頼むわ。えーと、2掛ける3はと、因数分解すると、2足す2足す2は、6と、わかったぞ」

「ママン、わかったぞ。おいで」

「ほんまやろな。洗濯もん、干すの忘れてたわ」

「そんなんどうでもええ、こっちが大事や」

「こっちが大事や」

「ええからええから、なあ、ママンのおかげや。マイナス2掛けるマイナス3がなんでプラス6になるか? ひとつひとつ説明できるなんて、こんなうれしいことがこの歳になって来るやなんて考えもせなんだわ」

「ごちゃごちゃ言わんと、さっさとしてよ。お日ィさん待ってくれへんねんで」

「こういうこっちゃ。マイナス2からマイナス2を引くやろ。そうするとぜロになるわなあ」

「知らん、言うてるやろ」

「これで1回や。このゼロになってるゼロからもう1回マイナス2を引くと、あーら不思議プラス2になりよる。掛ける3やからもう1回チャンスが残されておりますよと、このプラス2に、残りチャンスの1回を、なにを言わりょと実力行使でございますと、なあ、答えは4と? ・・えッ!? なんで? なんで?・・・ママ~ン! ママ~ンどこ行ったんや~!」