尿漏れパッド
「いやあ、まいった。外れてもうてな」
「なに? 宝くじ? ケイバ?」
「そんなええもんとちゃうねや」
「なにが外れたん?」
「ママンといえども言いにくいな」
「それやったら最初から言わなんだらええのに。水くさいで」
「そやねん。水にかんけーあるんや」
「なんやのん、水にかんけーあるて」
「尿漏れパッドしてるやろ。それが仕事中にずれてもうてな」
「水にかんけーあるて、そのことかいな。それで、どないなったん?」
「パンツの隙間から脚を伝うて、ヒザのとこまで落ちたんや」
「なんとまあ、なんともならんかったんかいな」
「そんなときに限ってお客さん来んねや」
「ふたり体制で、もうひとりいてはるんやろ?」
「そこや、〇〇さんもお客さんの相手してたんや」
「なんとまあ、えらい話やな。ずり落ちて、ズボンの裾からはみ出たら最悪やで」
「まあそれは心配ないけどな。パッチ2枚穿いてるからな」
「よかったやないの」
「けど気持ち悪うてな。出掛けるとき、パンツがずれんように思てベルトしてたんやけど、ちょっとゆるかったんやろな」
「なおしたんやろ?」
「〇〇さんにちょっとごめん言うて、部屋に戻ってなおした」
「どやったん? ちょっとは洩れてた?」
「大丈夫やった。仕事始める前にお茶飲まんかったんがきいたんやな」
「よかったやないの」
「よかった」