コーン・ショネリー
「若いなまだ、ハリソン・フォード。いま観ても面白いなインディ・ジョーンズ」
「おもしろいけど、むちゃくちゃやろ。あきれるわ」
「けど、よう考えるなこんなこと」
「ほんまや。あきれるわ」
「ヒットラーが出てきて、サインするいうんがケッサクやな」
「あれ、ヒットラーなん?」
「そう。さすがに『ハイル、ヒットラー!』言わなんだな。スピルバーグ言わすかな思て、ちょっと期待したんやけどな」
「言うてたら、どうなるんやろ?」
「どうなるんやろ? ブラックジョークとして受け取ってもらえるかどうかやな」
「だれに?」
「そら、観客によ」
「どうなんやろね? お父さん役のあの人、名前なんだったかな?」
「うん。ゼロゼロセブンやろ」
「そう、まだ生きてはんのやろか? もうええ歳やろ。ここまで出かかってるんやけど、出てこん」
「あかんな。おれもそうや。出るときはすっと出るんやけどな」
「思い出した! コーン・ショネリーや」
「そうそう、コーン・ショネリーや。よう思い出したな」