朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

「あさげ」のコマーシャル

「ママン! これこれ、このコマーシャルひどいやろ」

「なにがひどいの?」

「観ててごらん。男の子ふたりにあの若いおかあちゃんがインスタント味噌汁を作ってやるのはええけど、そのあと、それそれ」

「あれ、おかあさんかいな。子供になんて言うたん?」

「『ひじ』言うたんや。行儀が悪い、言いたいんやろな。『おまえに言われとうないわい!』そう言いたいな」

「男の子ふたりとも、目ェ丸うしてうしろにのけぞってるがな。なんでそないにびっくりすることあるの?」

「そやろ。べつにあないにオーバーにのけぞることないのに、あれな、おれが思うに、過去にというよりも時々、あのいかにもやさしそうな顔してるけど、あのおかあちゃんにひっぱたかれたりしたことがあるんやないか、と思うんや。おれなんかも子供のころ、親に急に名前呼ばれたりしたらビクッとして固まったことあったからな」

「うーん、そういうことやろか? おとーさんの悪こんじょまわしとちゃう?」

「それやったらええけど、気にいらんな、このCM。『あさげ』いうくらいやから朝ご飯やと思うけど、手間いらずのお湯さえかけりゃええインスタント味噌汁作ってやったくらいで、なんでえらそうに、なにが『ひじ』やねん、ええかげんにせえ、ちゅうやっちゃ。子供びっくりしてのけぞっとるがな」

「そないにえらそうに言うても、ええんか。おとーさんかて『あさげ』食べたことあるやろ?」

「あるよ。便利やからな。けど、このコマーシャル観たら、もうええわ」

「けど、買ったやつがまだ2食分残ってるよ」

「それはもったいないから、食べるわ」