朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

どう考えても、わからん?

「どう考えても、わからん?」

「なんの話?」

「まあおれのアタマ、あんまりかしこーないことは自分でもわかってることなんやけど、わからん」

「だから、なんの話よ」

「ヤッちゃんの親分がな」

「ヤッちゃんの親分? なんの話よ、急に」

「いやある親分がな、自分の縄張りのショバ代やらみかじめ料を値上げする言うて、縄張りで商売してるもんに言うたんやけど、ところが子分のひとりが、なにを血迷うたんか勝手に、親分はそんなことせえへんのとちゃうか、言い出したんや」

「ヤッちゃんのことはわからんけど、そんなことってあるの?」

「いやあ、おれもくわしいわけやないけど、映画なんかで観ると、勝手に親分に逆らうようなことがあれば、ひどい目にあわされるのがオチやろ思うんやけどな?」

「親分、怒ってるんと違うの?」

「そうやねん、いやいや、そやないねや。なーんも言わんと、子分もこれまでどおりでへーきな顔してんねや。普通やったら親分怒って『なんでお前、勝手なことさらすんじゃい!』言うて、それなりの罰が与えられる思うんやけど、波風ひとつ立たへん」

「わたしもヤッちゃんのことわからんのやけど、わからんから、どないもしょーがないいうことやろな」

「まあまあ、そうでも思わんとしょがないけど。『生きる』いう映画があったけど、あの映画のなかで、左朴全がやった市役所職員役の心境やな、いまは」

「なんなん、それ?」

「まあ、映画観てもろうたほうがいっちゃんええけど」