朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

返納する? しない?

「こんだけ年寄りの事故が多いと、まだ大丈夫や思てても不安になるな」

「しばらくおとーさん、運転してないしな」

「そやねん。来年は75歳、こーきこーれーしゃやろ。更新手続きもどないなるか、イッパツオーケーならええけど、医者行って再検査、ちゅうことにならんともかぎらんからな」

「返納するかァ?」

「してもええけど、なんやふんぎりがつかへんな」

「おとーさんは田舎暮らしがユメやから、田舎行ったらいるやろしなあ」

「それもあんねや。ユメ叶うて田舎行ったとしても、それで何年運転ができるんやろ?とか考えると、なんやしらよけーに迷うな」

「おとーさん、それが歳とった証拠やで。もうきっぱりと、返し」

「返そか!」

「返し返し」

「もーちょっと考えてみるわ。マがあるしな」

「なんやねんな、ウジウジと。オトコやろ」

「19で免許とったんでもう50年以上の付き合いやで。その間、文句も言わんとおれの生活支えてくれたんやでこれ。ママンと結婚したあともこれでメシ食ってきたんや。そう簡単単純な付き合いとはちゃうねや、免許証」

「そらわかってるわいな。けど、事故でも起こしたら悲劇やで。一緒に頑張ってくれた免許証にも顔向けが出来んで」

「そやなあ。ママンええこと言うてくれた」

「返すやろ?」

「もうちょっと待って」