朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

そしてまたあるときは・・・

「片岡知恵蔵、知ってるやろ?」

「知ってるよ」

「子供のころやけど、映画観たことあるか?」

「あるよ。遠山の金さん。おとーちゃんとおかーちゃん、と行った。オトナが30円やったと思う」

「そんなもんやったかな」

多羅尾伴内シリーズゆーんは知ってるか?」

「それ知らんわ。おとーさん観たん? イナカやのに映画館あったん?」

「あれッ、バカにしたな」

「いや、そーゆーわけやないけど」

「ふたつあったわ。まだ映画言わんと活動写真や。縮めて『カッドー、カッドー』ゆーてたけどな」

「ふるー」

「片岡知恵蔵が変装すんねん。七つのカオを持つオトコやからな。変装してもすぐわかるんや、子供にもな。濃い顔やろ、知恵蔵は。それでも悪の連中にはわからへん。子供ゴコロにも変やなー思た思うけど、それで悪の一味がやられるのがオモローてな。調べてみたらシリーズで12作も作られてるんや」

「そんなに。それやったら連れていってもーたかもわからんな。憶えてないわ」

「あれオトコがハラハラドキドキする映画やからな。ママンは当時も、オンナの子やったやろ?」

「なんで訊くのよ。いまでもそやないの。あきれるわ」

「『七つのカオのオトコだぜ』やからな。『あるときはセムシ男、そしてまたあるときは片目の運転手』。いまやったらなかなか作りにくい映画やな」

「ちょっとな。具合悪い」

「おれこれな。ちょっと疑問があんねん」

「なに?」

「片目の運転手やろ? 子供のころはそんなん考えもせなんだけど、かたほーの目が見えなんだら遠近がわかりにくい言うやろ? それで免許とれたんかなー思てな。おれが免許とってからのことやけど、そんなこと思たんや。あの映画、昭和20年代から30年代にかけての映画やから、そのころは免許ダイジョウブやったんかなー思てな」

「どーなんやろねー。調べてもわからんの?」

「いや、片目でも条件さえ揃えばOKらしいけど、タクシー運転手いうたら二種免許やからな。アカンのとちゃうかな」

「当時はOKやったんやろか?」

「そーかもしれんなー」

 

 ※ 文章中に不適切な言葉遣いがあります。その部分にはXXXを当てることも考えましたが、やめました。ご理解の上ご了承をお願いいたします。