ニッカン問題イドバタ会議
「おはよーさん」
「おはよーさん」
「水、汲んでるで」
「いつもおおきに」
「かまへんかまへん」
「これ食べるやろ?」
「なに?」
「ハッカ飴」
「いっちゃん好きや。手ェ濡れてるさかい後でもらうわ」
「手ェ拭かいでもえーやん。わたし剥いてあげるさかい、あーん、クチ開け」
「おおきに。これすーッとするやろ。いっちゃん好きや」
「これ」
「なに?」
「エプロンのポケットに入れてあげるわ」
「えーえー、おマツさんあんた、そない気ィ使わいでもえーのに」
「なに言うてんの、ひとつだけやないの」
「ひとつだけや言うて、なんやあんた、3つも入ってるやないの」
「いっつも水汲んでもーてるのに、これくらい、なんやのん」
「おーきに。おマツさんあんた、きのうの韓ドラ観た?」
「ゴメン、観てないわ。おキミさんは?」
「ゴメン、わたしも観てないねん」
「ポ・サンジュンがクルマではねられて、記憶そーしつになるやろ。そのあとどーなったか、あんたに訊けばわかるか思ーて」
「ゴメーン、わたしもやねん。観よ思てテレビつけたら、ニッカン問題花盛りやろ。しゃーないな、かなんなあ思て観てたら、こっちのほーがよっぽどおもしろいやろ。それで観てないねん」
「なんやいな、おマツさんもかいな。一緒や。子供みたいになー。アメリカに電話したらしいで、あのおんなのシト。エライさんやろけど」
「そーそー。名前知らんけど、あのシト、外務大臣やて。アメリカになんとかして言うて、泣きついたらしーわ、知らんけどォ」
「ほんまほんま。ニッポンとカンコクだけの問題でなんとかしてー言うんやったらまだえーけど」
「そやろ。世界がゆーりょしてるなんか言うて、『アンタ、世界中の国、訊いて回ったんか』訊いてみたいわ、わけのわからん」
「アメリカもあきれてるやろ。知らんけど」
「おキミさんあんた、どないしたらえー思う? この問題」
「そやねえ。韓ドラみたいに、交通事故と記憶そーしつはセットになってるやろ。けど、交通事故ゆーわけにはいかんやろから、りょうほのエライさんのアタマに注射打って、記憶そーしつにしたらどーやろ?」
「おキミさんあんた、えーことゆーやないの。それに決めとこか」
「決めとこ、決めとこ」