頼むで タイガース
「やっと勝ったな、ジャイアンツに。けっこーけっこー、コケコッコーや」
「ひやひややったけどね」
「そーそー。何回やったか、6回か、同点になったときは『今日もまたかい』思たけど、やったなソラーテ。そないスピードで走らんでもえやないか思たけど、あれは効いたな」
「あの人、新しく入った人やろ。名前なんやったかな?」
「ソラーテや」
「ソラーテ言うん?」
「そー、デビュー戦でイッパツやからな。うまいこと続けばえーけどな」
「すっきりして、えーオトコやないの」
「ああ、髪の毛も刈り込んですっきりしてるし、あんなんがえーで。伸ばすのは本人の自由やからええけど、押さえのピッチャーのドリスか、あれ出て来たら、暑苦しーてあかんわ」
「本人の自由やからね。けど最後は藤川やったやろ? だれなん、ドリス? なんでドリス出てこんの? いつも最後出てたのに」
「2軍におるみたいやな。調子落としてるんやろ。藤川出てきたときは大丈夫かいな思たけど、すぐに打たれたやろ2塁打、『ああ!』思たけど、うまいことジャイアンツの強力バッター斬ってとったな」
「おとーさん、アカン思てたやろ」
「思てた。けど藤川も髪の毛切って、すっきりしてたな。藤川が頑張ってるんはえーけど、もうベテランやで。藤波、どないしてるんや、はよ出てこい」
「そのうち出てくる思うよ。きっかけやと思うわ。ちょっとしたことやろけど」