8月1日
「早いなあ、もう8月やで」
「今日、ついたちやね」
「うん、ついたちや」
「おとーさん、腰はちょっとはよーなった」
「昨日の今日やからな。しばらくはへっぴり腰で徘徊や」
「前になったんは去年の正月やったやろ」
「そーそー。今回のんで何回なったやろ」
「そんなになってるの」
「憶えてるんは、トラックで仕事してたときやから、ママンと一緒になる前かそのころや、思うわ」
「憶えてないなあ」
「そらそーやろ。なったもんやないとわからんからな」
「わからんわ。そないに痛いの」
「動かなんだら特別のことはないけど、ちょっと動いたひょうしにギクッとくるからな。腰砕けになるんや。それでついついへっぴり腰の座頭市んなってまうんや」
「医者行かんでもえーの?」
「一緒や。行っても4,5日はかかるからな」
「じゃあ、ガマンせんとしゃーないな」
「そーゆーこと」