朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

酒飲みの自己弁護

 からだぢゅう毒がまわっていい気持ち

 言われても毒ほどうまいものはなし

 十八度5℃に冷やして毒を飲む

 毒とわかって飲むお酒 毒ほどうまいものはなし

 

「おとーさん、飲まれもせんのに、よーゆーなあ」

「『酒は百薬の長』とか言いますな。また反対に『命をけずるカンナ』とも申しますが、おーい熊さん、なんです八っつあん」

「おとーさん、ふざけてる場合か。なにが言いたいの、いったい」

「べつに言いたいことない。ただ暇つぶしに言うてるだけや。強いて理由つけるんやったらボケ封じやな」

「しょーもなー」

「しょーもないことはない。『アホの考え休むに似たり』言うけど、アホなことでも自分のアタマで考えることはええことやで。ちょっと二枚目のにいちゃんに握手してもろたゆーだけで投票するから、丸山なにがしみたいなやつがコッカイギインでございゆーてのさばるんや」

「おとーさん、ちょっと横道逸れてんで」

「修正ありがとう。『百薬の長』ゆーんもええけど『命をけずるカンナ』ゆーんも、ええな。両方天秤に掛けてどっちがええか、甲乙つけがたしやけどどっちが好きかーゆーたら、命をけずるカンナのほーがええな」

「そらおとーさんが飲まれんからそー思うんやろ」

「そーかもしれん。百薬の長ゆーたら、チョウやからな、社長、校長、一番やゆー意味やからな。どんなクスリより酒が勝ってるゆーんやからヨメさんがなんと言おーと『さがりおろー! この紋所が目に入らぬか!』一件落着、てなもんや、なあ。また好きな人はうまそーに飲むからな。カツオのたたき、あれ家ではご飯のおかずで食べるけど、酒飲めたらよけーにうまいやろな。美味や美味」

「うまいことゆーわ。飲み助みたいにゆーて。それで肝臓悪して、さっさと早死にしたらえーんや」

 

「『命をけずるカンナ』か、うまいことゆーな。感心するわ。カンナやからなあ、けずられるほーの命やけど、どんな形してんのやろ。丸いもんなんか四角いもんなんか、長いもんなんか短いもんなんか、堅いもんなんかやらかいもんなんか、命ちゅうんはどんなんやろ? 材木みたいなやつやったらしゅしゅーっとけずりやすいけど、丸うてやらかいもんやったらけずりにくいで、職人でも。見てみたいなーイノチのすがたかたち」

「おとーさん、おとーさん。あーあ、また始まったな、ごちゃごちゃと。仕事でも行ったらどーやのん。しらんけど」