朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

後期高齢者の運転免許証更新手続き

「どないしたん、おとーさん、こわい顔して」

「ほんまに! あきらかに差別やないか! バカにして」

「なにかあったん?」

「いや、来年の2月、免許が切れるからな、更新せなあかんねん」

「それやったら、したらええやないの」

「うん、それはするんやけど。ハガキが来たんや。来年は75歳後期高齢者やからな。そのハガキいうんがこれやけど、書いてあるやろ」

「見せて。『認知機能検査・高齢者講習のお知らせ』赤い大きな字で『すぐに予約しましょう』て書いてあるわ」

「それで、こないして3枚にめくっていろいろ説明書いてあるんを読んだんやけど、もうひとつ要領をえんので、この2枚目の下に赤い大きな字で書いてある電話番号のとこに電話かけてみたんや。けどずっと話し中で繋がらへんからな、もうひとつこれやこれこの小さな字で書いてあるとこへ電話したんや」

「それで、通じたの?」

「うん、通じた」

「それで?」

「おれの勘違いやけど、赤い大きな字で書いてある電話番号のとこに電話して予約するんかと思てたんやけど、これはおれの勘違いやったんやけど、もう少しわかりやすく書こ思たら書けるのにややこしややこし書いてあるんや」

「そしたら、どこへ電話して予約したらええの?」

「教習所や、自動車教習所」

「どっか、近くにあるん?」

「うん、ママンも知ってるやろ、ディカプリオ(息子の名前)が免許取ったとこ」

「すぐ近くやん」

「そやからな、そこへ電話したんや」

「で、どうやったん?」

「あかん。ここも簡単には繋がらへんねや」

「そうか。それで行ってきたん」

「そうそう。そのほうが早いからな」

「で、どやったん? 予約できたん」

「11月16日の土曜日。空いてる日で、この日が一番早いそうや」

「まだ2カ月以上あるやないの。間にあうの」

「そら大丈夫やけど。な、これに書いてあるやろ。『認知機能検査』いうやつで内容が

『記憶力・判断力』の検査、これやって、その成績で、これはこれで別の日にあるんやけど『高齢者講習』をやらなあかんねや」

「どんなことすんの?」

「まあいくつかあるんやけど、実際車に乗って運転は大丈夫か、いうんが最終的なもんやろな」

「それは仕方ないな。事故が多いからな」

「しゃあない。わかってんねん。けどな、教習所の人からいろいろ話し聴いたんやけど、また別な日にやる『高齢者講習』、これまた改めて申し込まなあかんらしんや

「えッ? おんなじとこででけへんの」

「でけんことはないけど、もしそこの申込者がいっぱいになることもあるやろから、そんときゃほかのとこで申し込んでくれ、いうねや」

「それやったら、そうせんとしゃあないやろ」

「そら、そうや。けどな、おれがハラ立つのは、場合によってはここから遠い、電車で

2時間近くもかかるようなとこしか空いてないゆうこともあり得る、いうんや」

「そんなバカな。言わんけど、75歳過ぎたらさっさと免許証返しなさい、言うてるようなもんやないの」

「そやろ。そう思うやろ」

「返し、おとーさん。もう乗ることないやろ」

「乗ることないけど、死ぬまで返さへん。あの世まで持って行く」

「もう! ほんまに! ガンコやから」