朝ぼらけジジイの寝言つれづれに

夜中に目が覚めて、色々考えることがあります。それを文章にしてみました。

日本無責任時代と幼時化現象時代

「無茶苦茶やな」

「おとーさん、また始まったな。なんやのん、無茶苦茶て」

「カンデン、関西電力

「ああ、あのこと」

「止めて、ガスに変えたろか」

「変えたろかて、ガスで電気点くわけないやろ」

「電気もやってるで、大阪ガス

「ほんま? けどおとーさん、大阪ガスでなんかあったらどーすんの?」

「ほんまやなあ。便利は不便て、よう言うたな。けど、社員は喜んでるやろ」

「社員て、どこの?」

「カンデンの社員よ」

「なんで喜ぶん? あっちこっちで嫌み言われて、『なんでやねん!』思うわ」

「ママンとはちょっと見方がちゃうねや。エライさんがあんなんやからおれらもマネしてどこが悪い、てなもんや。仕事行った先々で、うまいこと言うて金品もろうて、ポケットないないしてても大丈夫いうことや」

「無茶苦茶やな」

「そやで、無茶苦茶やで。けどこれが今の時代や。どないもこないもしゃーない」

「けど、社員がそんなことしたらクビやろ」

「だれが出来るん、自分らはやってて、社員だけはアカン、いうことは理屈にあわんやろ」

「けど、おとーさん、それがいまの日本なんやろ。そう言うたんちゃう?」

「言うたか? 言うたなあ。それやったら、もしバレたら『ゴメンチャイ』言うてあやまったらええんや。もろたもん返します言うてな。そして会社は辞めへん。みーんなエライさんのマネやからな。天に向かってツバを吐く、いうやっちゃ。もしエライさんにクビや言われたら、『あんたがまず先に自分で自分のクビ、切り、そしたらオレも辞めたるわ』言うてな」

「そんなこと、通用せんやろ」

「せんやろ。けどやってみる価値はある思うで」

「あきれるわ」

「そんな世の中やて。トリクルダウンて、知ってるか」

「上が儲けたら、そのおこぼれが下にも回ってくる、いうやつやろ」

「そや。アベノミクスとかいうてな。円安になって輸出企業が儲けたら、その儲けがいつか徐々におれらのとこまで流れてきて生活が潤う、そしたら物も買うやろから景気もようなる、それがあの人の目論見やったんやけどな。ところがそうは問屋が卸さん、あてごととフンドシはむこうから外れる、いうやっちゃ」

「おとーさん、もう、ヒンがないなあ」

「生まれつきやからな。こっちは口開けて待ってるのに、一向におこぼれはダウンしてこん。のどカラカラ、ちゅうねや。どないなってるやいうたらエライさん連中、上でダム造って流さんようにしてケツカル。かしこいよなあ」

「もう、おとーさん、やめとき」

「もうちょっとな。いま1000字超えたとこやから、あと1枚分くらい言わせて。ところがトリクルダウンが思わんとこで機能してんねや」

「なんのこと?」

「はあ。こればっかりはおれらが観てるドラマの、天下の副将軍・水戸の黄門さんでもどないもこないもしょうがない、これが頭にチョンマゲ載せてた昔の話やいうたらな、日本の一番エライ人は総理大臣や。次が副総理やろ。いえば将軍様に副将軍や。このおふたりがわけのわからんことでゴチャゴチャになったままやろ。「それがわかりゃくろーはしねえよ」なんてわけわからんこと言うて、黄門さんの役目果たすお積もりはゼロ。それどころかそれが妙なかたちにお手本になって、権力握ってる江戸城のお歴々、わけのわからんやつがあっちこっちでわけのわからん抜けたこと言うて、『辞めろ!』の大合唱でもカエルのつらにションベン。それが通用するいうんも、上にお手本があるからな」

「おとーさんもう、言うことが汚いなあ。つらとかションベンとか。よう口にせんわ」

「なあ。それがどんどん下に流れてきてほんまならそれ相応の責任とって辞めなあかんヤツラが雁首そろえて『ゴメンチャイ』、ハイ一件落着。ゴメンチャイ、ハイ一件落着。大人らしい大人はおらんのかい、子供のケンカやないっちゅうねん。気楽なもんや。黄門さんのドラマみたいに切腹申しつけるとか、悪商人やったら財産没収・江戸所払い、てなことにならへん。ゴメンチャイで済むんやから。そらだれかて、それで済むんやったらかんぽカンデン、ゴメンチャイで済んで知らん顔やからな、その下で働くもんでもそれを見習ろうて、バレたらゴメンチャイ、またその下で働くもんでもゴメンチャイ、ゴメンチャイ、ゴメンチャイ、そんなんでみごとトリクルダウンが末端まで浸透したちゅんで、メデタシ、メデタシや」

「それでわかったわ、おとーさん。なんかいうと、『ゴメン』言うて済まそうとしてんねんな。許さへんで」

「ゴメンチャイ」