ちょっと、食べ過ぎた
「昨日のモチやな。今年の正月用に買うてあったモチ、ママンが出掛けてるあいだに残ってる3ツ、もったいないから思て焼いて、醤油モチにして味付けのり巻いて食べてしもうたんがあかんかったんやな」
「意地汚いことするからや、おとーさん。そないにあわてて食べんでも大丈夫やて。冷凍してたらナンボでも保つのに」
「そうか? まあなんともなかったんで、そういうことやろけど、冷凍してたからいうて安心してたらあかん、言うてたで」
「そら物によるわ。モチは大丈夫や。食べ過ぎた、思てるだけやろ」
「そやな。朝も普通に食べたしな。歳とってから暴飲暴食はあかんいうけど、オレ、暴飲はせんからな」
「飲まれんからな」
「モチ3ツやから暴食でもないけどな」
「けど、食べ過ぎた思てるんやろ」
「それやったら暴食になるか」
「なると思うよ。知らんけど」
「もったいない思てな。子供のころ、ひもじい思いしたんがまだ残ってるんかな」
「これだけ食べられるようになっても、しゃあないな。それやったら、昼はやめとこか?」
「いや、食べる。なにするか、もう考えてる」
「ほんまにもう」